抄録
本研究では,腐食損傷した鋼橋の軸力部材を炭素繊維シートで補修する工法において,低弾性で伸びが大きい高伸度弾性パテ材を使用することを検討する.ここで,パテ材を使用しない場合と同様に鋼部材の応力低減を図ろうとすると,必要となる炭素繊維シートの定着長が長くなり過ぎる.このため,定着長を200mm,端部ずらし量を25mmとした上で,応力低減係数という係数を新たに導入する.係数の決定では,数値計算方法を援用してパテ材の厚さなどをパラメータとしたパラメトリック解析を実施する.そして,炭素繊維シートの積層数と応力低減係数の関係を把握して,補修設計で用いる応力低減係数を決定する.さらに,この係数を用いて急激な断面欠損を有する軸力部材を炭素繊維シート接着工法で補修する方法についても検討する.