抄録
近年の大地震を契機として,基幹送電線などの重要な既設送電鉄塔については,レベル2地震動に対する耐震性を動的解析により確認し,対策を施す事例が増えている.減衰定数は人工加振による自由振動試験などの観測データを参考に,鋼管鉄塔で1%,山形鋼鉄塔で2%が用いられるが,レベル2震源断層と地下構造の設定次第では極端に厳しい検討用地震波となり,減衰定数の設定が評価結果を大きく左右することも稀ではない.本論文においては.送電鉄塔の耐震性能向上を図る一環として,主柱材と斜材の接合部に鉛充填せん断ボルト継手を用いた鉛ダンパーの履歴特性を明らかにし,鉛ダンパーを実鉄塔に用いた場合の応答低減効果を解析的に検討して,レベル2地震時に期待される等価減衰定数について解析的に明らかにしている.