抄録
2011年東北地方太平洋沖地震では,東京ガス(株)の供給エリアで耐震性の劣る低圧ガス導管に被害が発生した.防災システムSUPREMEが確実に稼働したことで安全を確保するとともに,この地震に関する多くのデータを得た.SUPREMEの被害推定式は,ネジ継手を有する本支管に対して精度が高いことが既往研究によって確認された.一方,供給管や灯外内管に関しては,SI値と被害率の関係性がやや異なっていた.そこで,本研究では,供給管の被害率とSI値との関係性を評価し,被害予測式を構築する.さらに,本支管の被害を継手ごとに整理し,被害予測式の地形補正係数に関する評価を行い,被害推定の高度化を図る.