2016 年 72 巻 4 号 p. I_290-I_296
現行の地中管路の耐震設計指針において,管軸方向に働く管路と地盤間の地盤拘束力はバイリニアモデルにて近似されている.つまり,地盤拘束力を決める管路・地盤間の摩擦力は,管路の移動速度に関わらず一定であると仮定されている.実際には,管路・地盤間に働く摩擦力は管路周辺地盤の土粒子の再配置の条件によって速度依存性があると考えられる.本研究では,小型模型実験装置を作製し,管路の引き抜き実験によって管路と地盤間に働く摩擦力の速度依存性について検討を試みた.結果として,管路に生じる摩擦力は,引き抜き速度によって大きくなることが確認できた.