2016 年 72 巻 4 号 p. I_676-I_690
2011年東北地方太平洋沖地震は東北地方から関東地方の広範な地域に渡り,多数の橋梁に対し様々な被害をもたらした.その被害は津波によるものだけでなく,地震動によって被災した橋梁も多数あることが報告されている.本論は,東日本全域にわたる推定地震動強度と橋梁被害データとを関連付け,東日本大震災における地震動強度と橋梁被害の関係についてマクロ分析を行った結果をまとめたものである.検討の結果,橋長が長くなった場合や構造形式が連続桁である場合の橋梁の被害率が高いこと,竣工年代と被害率の関係には必ずしも強い相関が表れないことなどが統計的に示された.