行動経済学
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第9回大会プロシーディングス
真のファンダメンタルズ仮説―株式市場におけるバイアスの検出―
佐野 一雄
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2015 年 8 巻 p. 66-72

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抄録
株式のファンダメンタルズ指標には,情報だけでなく,株価に作用するノイズとバイアスが含まれていると考えられるが,一般に,ノイズとバイアスの作用を識別することは困難である.本稿では,合理的期待による「真のファンダメンタルズ仮説」を提示し,実際のファンダメンタルズ指標からバイアス成分を検出する.具体的には,「真のファンダメンタルズ仮説」にもとづく対数正規分布モデルを用いて,株価収益率, 純資産倍率および株価キャッシュフロー倍率からバイアス成分を検出する.バイアスは基本的に同じ性質を示し,分析結果の一部は「真のファンダメンタルズ仮説」を強く支持している.キャッシュフロー指標に含まれるバイアス成分は相対的に少なく,とりわけ「投資活動による正のキャッシュフロー倍率」は「真のファンダメンタルズ」の代理変数であることを示す.
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© 2015 行動経済学会
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