2016 年 72 巻 5 号 p. II_102-II_113
FRPは,持続荷重によってクリープ変形をすることが知られているため,構造部材に用いるにはFRP連結部やFRP部材そのもののクリープ変形を設計で考慮することが重要であると考えられる.FRPの連結としては,高力ボルト継手による摩擦接合,及び支圧接合を想定し,ガラス繊維積層材,及び炭素繊維とガラス繊維の複合積層材を対象として,ボルトの軸力の低下に関するデータ,クリープ破壊しない応力レベルでのボルトの支圧力による円孔周りのクリープ実験,並びにクリープ実験後の残存支圧強度に関するデータをそれぞれ採取した.さらに,ガラス繊維積層材を対象として,ボルトの支圧力による円孔周りのクリープ限度に関するデータを採取した.また,FRP部材としては,ガラス繊維積層材を対象として,梁部材の曲げクリープに関するデータを採取した.