土木学会論文集A1(構造・地震工学)
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和文論文
東日本大震災における陸前高田地区の被害分析に基づく津波特性の評価
佐々木 達生幸左 賢二
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2017 年 73 巻 1 号 p. 54-68

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抄録

 東北地方太平洋沖地震津波によって構造物の被害が甚大であった陸前高田市を対象として,橋梁に作用する際の津波形状をはじめとする津波特性の解明を目的として,画像解析と数値解析による津波シミュレーションを実施した.気仙川を遡上する津波の形状は波頭に2m程度の高さをもつ段波であるが,橋梁の上部構造には波頭通過後の1/100程度の水面勾配をもつ流れを主体とする作用であったと推察され,流速を用いた津波作用力を評価することで流出被害を説明することが出来る.また,画像解析と数値解析の水位波形を比較した結果,波形の全体的な水面勾配は良好な整合性を得るものの,水位が立ち上がる際の流速波速比が十分に大きくないために,水面の急勾配は再現されない.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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