2017 年 73 巻 4 号 p. I_187-I_196
地震時における都市ガス供給の第1次緊急停止判断をk-out-of-n遮断システムとして位置づけ,供給停止判断の高度化に向けて基礎的検討を行った.モンテカルロ・シミュレーションによりSI値の観測パターンを模擬的に生成し,遮断基準値との関係からk-out-of-nの概念に基づいて供給停止パターンを生成した.さらに被害関数を適用して種々の不確定要因を考慮したうえで低圧導管の被害率を生成した.さらに被害率の大小と供給停止判断の有無からなる2×2の分割表を用いてデータ分析を行い,遮断システムとしての性能評価を行った.感度・偽陽性率・陽性的中度・陰性的中度およびROCを評価指標として遮断基準値の妥当性を検討した結果,耐震管率に応じて遮断基準値を変化させることの適切性が明らかとなった.