抄録
山岳地帯に建設された社会インフラ施設の維持管理および交通インフラの運用のために最大瞬間風速の高精度な予報が求められている.本研究では,ARX (Autoregressive Exogenous)モデルを用いて数値気象予測データとオンライン現地観測データに基づく最大瞬間風速予報モデルを定式化し,モデルパラメータの動的同定により,最大瞬間風速予報を行う手法を提案した.動的適合モデルを用いることにより,従来の風速比に基づく手法と比較して最大瞬間風速の予報精度が向上した.さらに風速15m/s以上の強風イベントの予報可能性をROC (Receiver Operating Characteristic)曲線とAUC (Area Under the Curve)によって評価し,強風イベントの予報可能性が提案した手法により向上することを明らかにした.