2018 年 74 巻 4 号 p. I_237-I_248
地震動の応答スペクトルの特徴量として,固有周期軸上の101次元の特徴ベクトルを抽出し,KL変換を用いてモード解析と合成を行う方法を提案した.特徴ベクトルの相関行列の固有値解析により主成分に変換し,主要モードを用いた逆変換により特徴ベクトルを近似して,情報損失の少ない次元縮約を可能とするものである.2011年東北地方太平洋沖地震で観測された加速度記録を用いた数値計算例を示した.特徴ベクトルは5%減衰で3~12次モード(20%減衰ではより低次モード)までで概形をほぼ復元できることを明らかにした.また,9地震の全観測記録にKL変換を適用して得られる固有ベクトルが余弦関数で近似できることに着目し,離散コサイン変換に相当する汎用性の高い正規直交基底を提案した.