2018 年 74 巻 4 号 p. I_25-I_35
トンネルと接続する場合など開口を有する立坑では,開口により断面が欠損するため開口部以外の残存断面によりせん断耐力を確保する必要がある.現状における開口部周辺の構造設計においては,3次元的な挙動を適切に考慮したものではなく,必ずしも合理的な構造となっていない可能性がある.そのため,本研究ではコンクリートおよび鉄筋をモデル化した3次元解析モデルにより,開口を有する立坑のせん断耐力の評価を行っている.また,立坑のせん断耐力に特に大きな影響を及ぼすと考えられる,部材厚,配力筋の鉄筋比,コンクリート強度および開口の配置などの条件を変更しそれぞれの影響を確認している.その結果,開口を有する立坑におけるせん断耐力を簡易的な式で評価できる可能性があることを確認した.