抄録
2015年に発生したネパール・ゴルカ地震では,建物の倒壊による人的被害や道路・河川施設などの被害が見られたが,中山間地域では蛇籠構造物が高い屈撓性を発揮し,機能を維持した例が確認された.筆者らは,蛇籠構造物の耐震性を評価するため,ゴルカ地震で斜面災害が多発したアラニコ・ハイウェイを対象に現地調査を行った.ネパール国では安価で施工が容易で,中詰材が簡単に入手できる蛇籠構造物が広く普及し,道路・河川・砂防施設などの様々な用途に多く活用されていた.一連の調査から,ネパール国で土木構造物に利用されている蛇籠の利用実態や構造的な特徴を整理し,耐震性を有する蛇籠道路擁壁を設計・施工する際の課題や改善策を検討した.