抄録
本研究は,当て板接着による鋼構造物の補修・補強において,接着接合部の疲労強度の評価方法とその設計法を提案することを目的としたものである.エポキシ樹脂接着剤を用いて,鋼板に当て板を接着した接着接合部の静的試験・疲労試験を行って,疲労強度特性を実験的に検討した.実験では,2種類の接着剤を用いて,鋼板の両面に,軸剛性の異なる,鋼製あるいはCFRP製の当て板を接着接合した試験片に対して,静的試験・疲労試験を行った.実験の結果,はく離時の主応力に対する主応力範囲の比と繰返し回数の関係で整理すれば,今回の実験で使用した2種類の接着剤であれば,接着接合部の疲労強度を精度よく評価できること,また,はく離時の主応力に対して,主応力範囲を30%以下とすれば,十分な疲労耐久性(107回)を確保できることが確かめられた.