2025 年 43 巻 3 号 p. 87-95
概要:【目的】術前・術中にリンパ節腫大のない進行卵巣明細胞癌に対するリンパ節郭清の治療的意義を検討する.
【方法】対象は2002年9月から2021年12月に新規に診断された卵巣明細胞癌のうち,初回手術を行なった臨床進行期IIB~IVB期かつ術前・術中にリンパ節腫大のない症例とした.初回手術で残存病変あり,American Society of Anesthesiologists physical status≧3,術後補助化学療法が未施行の症例は除外した.郭清群と非郭清群で予後(無再発生存期間(RFS),全生存期間(OS),再発部位,術後合併症)を後方視的に比較した.
【結果】16例(郭清群9例,非郭清群7例)が本研究の適格だった.患者背景に有意差はなかった.3年RFSは郭清群55.6%(95%CI 20.4~80.5),非郭清群57.1%(95%CI 17.2~83.7),p=0.78,3年OSは郭清群77.8%(95%CI 36.5~93.9),非郭清群66.7%(95%CI 19.5~90.4),p=0.29であり,再発は郭清群4例,非郭清群3例で認めた.術後30日以内のClavien-Dindo分類Grade3以上の合併症は両群で認めなかった.
【結論】術前・術中にリンパ節腫大のない進行卵巣明細胞癌に対するリンパ節郭清は予後に関連しない可能性が示唆された.