抄録
鋼橋の高力ボルト摩擦接合継手には一般に8Tと10Tクラスのボルトが用いられている.この継手のすべり耐力は,ボルト軸力にすべり係数を乗じることにより求められる.ボルト軸力はボルトの引張強度に応じて導入される.最近では,強度の高い14Tクラスのボルトも使用されるようになっている.すべり係数は,ボルト軸力によらないとされている.しかし,最近の研究によって摩擦係数は接触圧が大きくなるにしたがって低下することが知られている.したがって,14Tボルト継手では,10Tボルト継手の試験結果に基づいて設定されたすべり係数よりも低くなる可能性がある.本研究では,8T,10T,14Tボルトを用いた高力ボルト摩擦接合継手の引張試験と,摩擦係数と接触圧の関係を考慮した非線形FE解析を行い,すべり係数とボルト軸力の関係を示している.