2019 年 75 巻 3 号 p. 280-292
本研究では NaCl による高腐食性環境におけるAl-5Mg合金溶射と重防食塗装の重ね部における耐食・防食の基本特性を明らかにするために,クロスカットを導入した鋼板試験体の複合サイクル腐食促進試験を行った.また,塗膜の交流インピーダンス測定,光沢度測定およびSEM-EDXによる元素分析なども実施した.これらの結果から,Al-5Mg合金溶射と重防食塗装の重ね部における鋼素地露出部からの溶射皮膜の劣化は,溶射皮膜のみの場合に比べて早期に発生・進行すること,クロスカット部における析出物の生成機構などを明らかにした.また,本複合サイクル腐食促進試験の条件では,溶射皮膜劣化後も,重防食塗装の上塗り塗膜は劣化しないことなどを示した.