2019 年 75 巻 4 号 p. I_383-I_390
本研究では地震観測点以外の地点を対象に地震動を推定せずとも,直接的に木造建物の最大応答変形角を予測する手法を提案した.まず,性能等価加速度応答スペクトルと加速度応答スペクトルの関係をもとに最大応答変形角の予測式を導き出した.続いて,2016年に鳥取県中部で発生した地震を対象に断層最短距離や微動H/Vの固有振動数などをパラメータとした最大応答変形角予測式を回帰分析により求めた.その結果,地震観測記録から計算した最大応答変形角と予測式から計算した値がよく対応した.