2019 年 75 巻 4 号 p. I_408-I_415
想定を超える地震動に対して,構造物の倒壊という「危機」を完全に防止することは困難であるが,仮に倒壊したとしても居住地域や緊急輸送道路や復旧スペース等を支障する方向には構造物を倒壊させないことで危機耐性を確保することが可能である.著者らはこうした構造を実現する「倒壊方向制御構造」を提案しており,振動台実験を通じて倒壊方向を制御可能であることを確認している.本論文では,ラーメン高架橋を対象とした静的載荷試験を通じ,倒壊方向制御構造を設計する際に必要となる,水平方向の履歴や耐力・変形性能を評価した結果を報告する.