2020 年 76 巻 4 号 p. I_656-I_666
近年発生した地震では,配水管から分岐した給水装置引込み部に甚大な被害が確認されており,給水装置引込み部の耐震化が重要と指摘されている1).被害原因の一つは配水管と地盤との境界で滑りが生じることで,直交する給水装置引込み部にひずみが集中するためと考えられる.本稿ではレベル2地震動により配水管に発生する滑りが給水装置引込み部に与える影響を評価し,当該部に求められる耐震性能を明らかにするとともに,埋設実験により耐震性を確認し評価したものである.結果は,大きな滑りが発生する金属管から給水分岐する場合でも,給水用高密度ポリエチレン管と十分な回転機構を有する金属製サドル付分水栓の複合構造でレベル2地震動に対しても耐震性を確保できることを明らかにした.