2020 年 76 巻 4 号 p. I_709-I_715
2018年6月の大阪府北部地震では,数多くの家屋の屋根が損壊した.このため,多くの家屋でブルーシートを用いた応急復旧が行われている.しかし,ブルーシートによる屋根の応急復旧の手順は体系化されておらず,ボランティアなどの経験や試行錯誤に頼っている.そこで,本研究では被災調査としてブルーシートの張り方の特徴や傾向を調べた.この結果,94%の家屋で青いシートが使われていること,また,90%の家屋で土のうが固定方法として使われているが,耐久性のある黒い土のうや黒いロープの使用は約30%程度と少ないことが分かった.このことから,ブルーシートによる応急復旧の手順が体系化されていないため,様々な形態に応急復旧されていことが確認された.また,9月の台風被害後の応急復旧の形態が8月時点と異なっていることも確認された.