2020 年 76 巻 4 号 p. I_75-I_86
著者らは,過去に直杭式桟橋のプレキャスト化に適した杭頭接合として鞘管方式を提案している.一方,桟橋には水平剛性を高めた斜杭式も広く適用されているが,鞘管方式を適用する場合には鋼管杭の斜角によって鞘管径が大きくなるため,杭頭接合部の性能低下が懸念される.そこで,本研究では鞘管方式を適用した斜杭試験体を用いて正負交番載荷実験を実施し,従来の現場打ちによるものと比較した.また,斜角をパラメータとした三次元有限要素解析から鞘管内の充填コンクリートにおける損傷を評価し,斜角による影響を考察した.その結果,鞘管方式は斜角10度程度に適用できることを実験的に確認し,解析から鞘管内の充填コンクリートの損傷を軽減することで,更に大きな斜角に適用できる可能性を示した.