2020 年 76 巻 5 号 p. II_62-II_71
本研究は,ずれ止めとして頭付きスタッドを用いた鋼板コンクリート合成版を対象として,配置するスタッドの諸元が部材のせん断耐力に与える影響を調査し,定量的な評価を試みるものである.鋼板コンクリート合成版を1方向版と見なしたときのせん断耐力については十分に解明されておらず,現在は鉄筋コンクリート構造の耐力に低減係数を乗じたものが設計式として採用されている.この設計式では,ずれ止めによるせん断補強効果が考慮されておらず設計耐力を安全側に過小評価されることが多い.そこで本研究では頭付きスタッドの配置間隔や高さ,軸径などをパラメータとした実験を行い,その結果からずれ止めが与えるせん断補強効果を考慮した新たなせん断耐力の算定式を提案するものである.