2021 年 77 巻 1 号 p. 13-27
本研究では,切込みにより損傷を与えたGFRP積層板に対して,両面に補修板を接着した試験片を対象に,一軸引張実験と再現解析を実施して補修効果を検討した.実験の結果,補修試験片の引張強度は損傷時より向上したが,健全時の引張強度には回復しない可能性があることが分かった.また,健全状態の積層板についても補修板の接着により引張強度が低下することを確認した.その後,引張実験において補修板の剝離と母材の脆性破壊という2種類の破壊モードが確認されたため,有限要素解析を実施して,これらの破壊モードに関する考察を行った.その結果,補修板の接着により損傷部と接着端部において母材表面に応力集中が生じ脆性破壊を引き起こすこと,使用する接着剤により応力集中が卓越する箇所や破壊モードが異なることを明らかにした.