土木学会論文集A1(構造・地震工学)
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和文論文
超高速鉄道のトンネル枝坑における付帯設備を考慮した微気圧波低減対策
水野 孝則有田 貴司山極 伊知郎小川 隆申久保 淳一郎藤野 陽三
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2021 年 77 巻 1 号 p. 1-12

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抄録

 超高速列車がトンネルに突入する際に生じる圧縮波はトンネル内を伝播し,出口側坑口だけでなくトンネル途中の枝坑坑口からも微気圧波として放射される.また,枝坑坑口は地表面にあるため,換気によって発生する風切り音対策も考慮しなければならない.そこで,風切り音も低減可能な枝坑での微気圧波低減対策を提案する.風切り音については,枝坑断面の拡幅による風速低減と枝坑換気口による流れの均一化により低減可能であることを示した.一方,微気圧波は断面拡幅で強まることが明らかになったため,過去に提案された多孔板対策工に加え,換気ファンなどの付帯設備も活用し,枝坑全体で低減させる対策を提案した.そして,その効果を模型実験および数値解析により検証した結果,枝坑坑口付近の微気圧波を基準値以内に抑えられることを明らかにした.

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