2021 年 77 巻 2 号 p. 339-355
熊本地震により崩落した阿蘇大橋の架け替えでは,周辺に活断層が存在していることから,大地震時に定量的な予測が困難な地盤変状が生じるリスクを想定しておく必要がある.このリスクに対して道路の機能に及ぼす影響を小さく抑える観点から,橋の架け替え位置を含めたルートの計画段階から地盤変状に対する対策を検討した.本稿では,地盤変状に対する橋の安全性を高めるための配慮,並びに被災が生じた場合でも応急的な機能回復措置をしやすくするための配慮について,経済的な合理性を失わない範囲で著者らが考案した具体的な対策をその検討プロセスと併せて提示する.また,設計での想定を超える作用が生じても橋としては致命的でなく,早期復旧もしやすくなるように橋の破壊形態を制御する設計思想を導入したので,その考え方についても述べる.