2021 年 77 巻 3 号 p. 384-394
近年の地震で被害を受けた高速道路盛土の被害の特徴として,カルバート部における段差や目地開きおよび目地開きに伴う土砂の流出が多数発生している事が挙げられる.これらの被害に対して,盛土条件,カルバート条件,地盤条件,地震動条件等の情報を収集し被害量との関係性について整理・分析を行った.マクロ分析を行った結果から,「土被り」「沖積層厚」「地震動SI値」が被害量との傾向のあるパラメータとして抽出され,それらを反映した要対策検討箇所を選定するフローや最大被害量の簡易推定式を作成した.これにより,対策検討が必要か否かの一次選定や対策優先度を判定することが,ある程度の精度で可能となった.