2021 年 77 巻 3 号 p. 489-508
損傷したリベット継手を補修する場合,リベットを摩擦接合用高力ボルトに取り替える方法が用いられることが多い.一部のリベットを高力ボルトに取り替えた継手では,荷重伝達機構の異なる支圧接合と摩擦接合が共存することになるが,リベットと高力ボルトを併用した継手の力学的挙動は十分に明らかにされていない.そこで本研究では,リベットと高力ボルトの配置パターンの異なる併用継手を用いた引張試験により,併用継手の力学的挙動や限界状態を明らかにした.また,引張試験を再現した有限要素解析により,併用継手内の荷重分担割合や限界状態に至るメカニズムを示した.さらに,併用継手の耐力評価法を示し,得られた結果を基に,その妥当性を検証した.