土木学会論文集A1(構造・地震工学)
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和文論文
単杭の有効入力動の増幅に及ぼす支配パラメータについて
土井 達也室野 剛隆齊藤 正人
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2021 年 77 巻 3 号 p. 515-526

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抄録

 杭基礎やケーソン基礎を有する構造物では,地盤-基礎系の動的相互作用による入力損失が生じる.一方,ケーソン基礎など基礎く体の曲げ剛性が大きい場合,低振動数では有効入力動が増幅する場合がある.そこで本研究では,1層地盤中の単杭を対象に,様々な境界条件下で弾性床上の梁の支配方程式を解くことにより,地盤の1次モードに対する有効入力係数の理論解を誘導し,く体の曲げ剛性,基礎先端の水平および回転剛性,基礎天端の回転拘束条件が有効入力係数に及ぼす影響を評価した.その結果,有効入力係数は基礎の特性値𝛽と長さ𝑙の積𝛽𝑙が2.0程度以上では,基礎先端の回転剛性によらず1.0に漸近するが,𝛽𝑙が2.0程度以下では基礎先端の回転剛性により0から1.2程度の値をとること,杭頭の回転拘束により,有効入力動の増幅が抑制されることがわかった.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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