2021 年 77 巻 4 号 p. I_107-I_116
大規模構造物の3次元有限要素解析では,ソリッド要素の他,厚板要素が用いられるが,面内変形と面外変形の構成則を独立に扱う通常の厚板要素には,面内変形と面外変形が連成する鉄筋コンクリートの非線形構成則を適用できない.本論文では,3次元テンソル形式のコンクリート構成則を使う非線形厚板要素の定式化を行った.2次元厚板要素でありながら,連続体力学との整合性を保つため,歪と応力の6成分を扱い,汎用性を高めた定式化としている.定式化に基づき,3次元テンソル形式コンクリート構成則を汎用の厚板要素に実装した.ソリッド要素および従前の厚板要素と比較することで,開発した厚板要素の有効性を検証するとともに,実験の再現解析を行い厚板要素の適用性を確認した.