2021 年 77 巻 4 号 p. I_424-I_435
世界有数の地震大国である我が国では,大地震の発生によって被災した橋脚の耐震性能を回復する補修工事や耐震設計に係わる技術基準の改定に伴って耐震性能を向上させる耐震補強工事が行われてきた.地震という不確定な事象が対象であることを考慮すると,将来の技術基準に適応することができる新陳代謝の機能を有するメタボリズム耐震橋脚構造の開発が望まれる.
本研究では早期復旧や省力化の観点から塑性ヒンジ部の取り替えにプレキャスト鉄筋コンクリートを採用するとともに,水平方向の接合部に埋込継手構造を用いることにより耐震性能の回復が可能であることを検証した.