2021 年 77 巻 4 号 p. I_575-I_588
近年,設計地震動の増大に伴い,一般的には液状化判定の対象にならない洪積砂層に対しても液状化の影響を考慮した構造物の耐震性評価が求められることがある.硬質な洪積砂層を対象に凍結サンプリング試料による液状化強度試験を実施すると,軟弱な砂地盤と異なる挙動を示した.そこで,硬質な洪積砂層を模擬した試料を用いて,一軸圧縮試験と繰返し中空ねじりせん断試験を行い,液状化強度特性に関する要因分析を行った.従来の有効応力解析におけるパラメータ設定では,載荷回数に伴ってせん断ひずみは大きくなるものの,過剰間隙水圧が上昇しない材料を扱うことが難しかった.そこで,本研究ではひずみ空間多重せん断ばねモデルを用いることで,硬質な洪積砂の液状化強度特性を考慮した有効応力解析のパラメータ設定を行うことができた.