2021 年 77 巻 4 号 p. I_589-I_602
2016年熊本地震の被災地自治体の技術職員に実施したインタビューとアンケート結果から,地震発生時の応急復旧と地元建設業とコンサルタントへの支援要請の実態を調査した.技術職員の不足や技術と経験が不十分である等の理由から2/3程度の施設で被災規模の把握に2週間以上を要していた.BCPや震災対策マニュアルの作成と訓練,管理施設の資料の整備,外部への支援要請などが不十分だった自治体もあり,限られた技術職員で社会インフラ施設の機能を迅速に回復するためには,これらの改善が必要である.