2022 年 78 巻 1 号 p. 180-189
リラクセーションによるボルト軸力の低下は,接触面によって大きく異なる.ボルト継手の安全性・信頼性を向上させるには,これらを考慮して締付け後も適切な軸力が得られるようボルト締付けを検討しなければならないと考えられ,リラクセーション特性を把握することは重要であると考えられる.本報告は,接触面ごとのボルト継手におけるリラクセーション特性を明確にすることを目的とした調査研究である.調査は塗装面,さび面,粗面,溶射面およびめっき面を対象とし,接触面の違いによるボルト軸力低下特性を示した.また,継手形式,ボルト長,塗装膜厚およびボルト軸力の影響についても言及した.