2022 年 78 巻 4 号 p. I_374-I_382
寒冷地における橋梁への高減衰免震ゴム支承の適用にあたっては,低温環境のゴム支承の復元力特性への影響とそれによる橋梁の地震時性能の低下が懸念される.低温環境では,高減衰ゴム支承の剛性および減衰の顕著な増加が生じる一方,繰り返しせん断変形に伴う自己発熱による内部温度の変化によるゴム材料の応力-ひずみ関係への影響のため時間的に変動する複雑な履歴復元力特性となる.本研究では,断熱ケース内に収納することで低温条件を保持したまま高減衰ゴム支承試験体のせん断載荷を行うことができる載荷装置を用い,橋梁構造物の地震応答を模擬するサブストラクチャハイブリッド実験を実施した.