2022 年 78 巻 4 号 p. I_503-I_510
本研究の対象である球面すべり支承は,復元力を有しているため,ゴム部材等と併用する必要がなく,単体で免震支承として橋梁を支持することが可能であるが,その摩擦特性については必ずしも明らかになっていない.球面すべり支承の摩擦特性は,面圧・速度・温度依存性を有していることが知られている.動的解析において球面すべり支承の動的特性を把握するためには,これらの影響要因を適切に評価し,球面すべり支承の摩擦特性をモデル化する必要がある.そこで,本研究では,シングル球面すべり支承を用いた振動台実験に対して,摩擦係数の面圧・速度依存性を考慮したモデルを用いて再現解析を行った.結果として,摩擦係数の面圧・速度依存性の影響を考慈することにより,実験結果を比較的精度よく再現することができた.