2022 年 78 巻 4 号 p. I_580-I_591
減衰特性は構造物の設計計算をする上で重要なパラメータである.本研究では,橋全体系の連続挙動観測記録より,微弱な地震による観測記録と常時振動の記録を用いて橋全体系の固有振動数と減衰特性を算出した.固有振動数と減衰特性の算出には,部分空間法に基づくシステム同定を用いた.本研究は,橋全体系の振動特性を算出する手法の開発を目的とし,橋の多点観測記録を対象として部分空間法の適用可能性を検証した.その結果,本研究の対象橋の橋全体系のモード減衰の平均値は,部分空間法に基づくシステム同定により,h=約1.7%と評価された.