土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
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特集号(招待論文)
東日本大震災の教訓を踏まえた事業継続計画(BCP)改善への提言
丸谷 浩明
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2011 年 67 巻 2 号 p. I_1-I_10

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抄録
 東日本大震災に際し,ほとんどの日本の企業・組織は,政府の想定を超えた甚大な被害を想定しておらず,事業継続上深刻な打撃を受けた.また,電力や燃料不足の発生という課題も顕在化し,さらにサプライチェーンの途絶により国内外の多くの産業で生産が低下したことも問題となった.政府や産業界は,東海・東南海地震や首都直下地震などを念頭に,大震災の教訓を活かして有効な対策を実施することが急務となっている.その基本は建物や施設の耐震性確保であるが,事業継続計画(BCP)及び事業継続マネジメント(BCM)の普及を図ることも必要である.今後普及するBCMには,サプライチェーンの観点をより明確に含ませ,「代替戦略」をより強調することが求められる.また,政府や自治体には,自らBCPを策定するとともに,民間部門のBCMの関連制度条件の改善が求められる.
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© 2011 公益社団法人 土木学会
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