土木学会論文集F6(安全問題)
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特集号(和文論文)
大地震における石油供給の早期復旧に資する継続手法の原型
安野 貴人
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2011 年 67 巻 2 号 p. I_83-I_88

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抄録

 東日本大震災で,油槽所や給油所が被災し,一時的にガソリン・灯油等が不足に陥った.石油製品は,物資輸送や救援活動に不可欠で,日常の買い物や業務の移動にも支障をきたす.ライフライン被害では,電力・水道・ガス・通信に加え,石油製品不足が重なり,その復旧の重要性が再認識された.震災では,油槽所の出荷や給油所の販売が中断する恐れがある.これらが一時中断しても,供給サービスを早期に回復できる継続方策が求められる.本稿では,東日本大震災での石油製品供給の一時中断と復旧推移を把握し,震災教訓を整理する.大地震に備えその供給サービス空白域を最小化する基幹施設の配置手法の原型を提案する.それを東北地方の給油施設に応用し,手法の有用性と継続方策の含意を考察する.

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© 2011 公益社団法人 土木学会
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