2012 年 68 巻 1 号 p. 1-12
本研究では,災害発生危険度に応じた土石流危険渓流の評価ルールの設定を試みた.まず,SVMを用いてノイズデータを取り除くことで代表データの抽出を行った.次に,代表データにより構築した分離超平面を用いて危険度の設定,および危険度ランクの区分を行った.さらに,危険度ランク毎にラフ集合を用いて,評価ルールの設定を行った.これにより得られたルールは高い汎用性を有し,かつ実際の災害の発生・非発生との整合性が高いものであった.この成果は,任意の渓流の調査データから該当するルールを検索し,同時に危険度ランクを把握することが可能な危険度評価システムとして利用できる可能性を示すものと考えられる.