抄録
大震災以降,個々の防災力の向上のため,行政,地域社会,住民相互の連携が求められている.児童に着目すれば,学校社会での防災教育と保護者との知識,情報の共有が重要となる.しかし多くの学校現場では,防災訓練と教員の試行錯誤による教育の実践にとどまっている.
本研究では,防災教育プログラムの開発を目的として,身近な災害の紹介などと,防災意識調査とによる教育プログラムを児童に実践すると共に,その保護者にも同様の調査を実施し,その教育効果と,児童と保護者間の防災意識の相違を検証した.その結果,児童と保護者の防災意識の向上として,本プログラムの教育効果が確認された.また,児童と保護者間で避難経路や避難場所の情報共有に差違が認められた.