抄録
四国においては,来るべき南海・東南海地震に備え,避難情報等の情報の悉皆性を確保する必要がある.2011年3月東日本大震災において,愛媛県宇和海沿岸には,津波避難勧告が発令された.著者らは,これらの地域において,避難勧告情報伝達に関する,行政,自主防災組織,住民を対象としたアンケートを実施するとともに,防災行政無線の現状を調査した.それらの結果,各市町の問題点や課題が明らかなるとともに,それぞれの行政が,地域に合わせた形での整備を行っていることと,今後の,公共情報システムの展望について述べた.
本論文では,これらの点を踏まえて,ハード・ソフト面での災害時の情報伝達のあり方について言及する.