2013 年 69 巻 1 号 p. 46-58
本研究では,既往のサポートベクターマシンを用いた斜面危険度の評価方法を参考とし,分析に必要となる学習データが少数しか得られないケースを想定した.このように不足する学習データを補完する方法として,仮想データによる分析手法の提案を試みた.
分析の結果,分析対象となる元データの数が少ない場合でも,仮想データの作成において矛盾データの展開を行わず,可能な限り仮想データの追加・展開の回数が多くなるパラメータを設定することで,精度の高い分離面を構築することが可能となった.
さらに,この分離面を用いて,これまで安全・危険の判断ができなかった斜面の評価を行った.これらの斜面に対して,現地調査を行い,現地状況から得られる知見と本研究で得られた分析結果が一致することが確認され,手法としての有用性が示された.