抄録
近年,橋梁の点検等の維持管理作業が増加しているが,それに伴い墜落等の死亡災害も報告されるようになっている.これらの作業時の安全のため,常設の検査路を設置する場合も多いが,最近になって主要構造部材がGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製(以下,一般名称としてFRP製とする)の検査路も使用されるようになっている.その際,検査路の端に十分な安全性が確認された手すりを設置し墜落を防止している.しかし,やむを得ずこの手すりに安全帯を掛けて作業する場合も想定されており,この場合の安全性については検討されていないのが現状である.そこで本研究では,この手すりに安全帯を掛けて墜落防護した場合の安全性について検討するため,サンドバッグ等を用いた落下実験を行った.その結果より検査路の部材を改良し,85kgのサンドバッグが落下しないよう安全性のさらなる向上を図った.