抄録
水密性能が低下したパイプランでは,管材損傷の蓄積に伴い漏水事故が頻発する.従来,パイプランの通水試験では,充水過程において漏水事故を検出・評価することは困難であった.このことから,近年,パイプラインの水密性能照査法の開発が急務な技術的課題となっている.本報では,弾性波を受動的に検出するAE(Acoustic Emission)法を用いてモデルパイプランと既設構造物を対象に充水過程の水密性照査を試みた結果を報告する.検討の結果,AE発生頻度やエネルギ値を用いることによりパイプラインの水密性能を評価できる可能性が確認された.