土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
ISSN-L : 2185-6621
特集号(和文論文)
南海トラフ巨大地震に備えた地域継続力向上に資する戦略的仕組みの構築とその成果について―地方国立大学が果たす役割事例―
岩原 廣彦白木 渡井面 仁志高橋 亨輔磯打 千雅子
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2014 年 70 巻 2 号 p. I_169-I_174

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抄録

 南海トラフ巨大地震が発生した場合に備え,行政,企業などの個々の組織が事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)を策定するとともに,各組織が連携して地域継続計画(District Continuity Plan:DCP)を策定推進する必要がある.地方大学としてこれらの一翼を担うべく,行政,事業者,地域住民等と連携して地域継続力向上に資する活動の試行として,香川大学危機管理研究センターでは,1)DCP策定に向けた産学官議論のプラットホームの創成,2)地域インパクト分析手法を活用したDCP策定ツールの提供,3)DCP策定過程から見えた行政企業BCPの実効性検証効果,4)防災・産業クラスター計画の提案などを実施している.この試みは連携している国の出先機関や香川県,各基礎自治体,ライフライン関連企業から高い評価と支援を得るとともに,これらの活動が内閣府発刊の「平成26年度 防災白書地区防災計画制度」に掲載されるなど,着実にその実績を挙げており,本稿ではその活動内容と取り組み成果について述べる.

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© 2014 公益社団法人 土木学会
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