2014 年 70 巻 2 号 p. I_169-I_174
南海トラフ巨大地震が発生した場合に備え,行政,企業などの個々の組織が事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)を策定するとともに,各組織が連携して地域継続計画(District Continuity Plan:DCP)を策定推進する必要がある.地方大学としてこれらの一翼を担うべく,行政,事業者,地域住民等と連携して地域継続力向上に資する活動の試行として,香川大学危機管理研究センターでは,1)DCP策定に向けた産学官議論のプラットホームの創成,2)地域インパクト分析手法を活用したDCP策定ツールの提供,3)DCP策定過程から見えた行政企業BCPの実効性検証効果,4)防災・産業クラスター計画の提案などを実施している.この試みは連携している国の出先機関や香川県,各基礎自治体,ライフライン関連企業から高い評価と支援を得るとともに,これらの活動が内閣府発刊の「平成26年度 防災白書地区防災計画制度」に掲載されるなど,着実にその実績を挙げており,本稿ではその活動内容と取り組み成果について述べる.