2014 年 70 巻 2 号 p. I_161-I_168
著者らは,大震時における火災延焼シミュレーション・システムを開発し,住民とリスク・コミュニケーションを行っている.現在,松山市の連合自主防災会を中心にシステムを配布し,自主防災会の活動のためのツールとして利用いただいている.また,システムを用いて,著者等(専門家)と住民あるいは行政とのリスク・コミュニケーションを実践している.それらの過程で,行政,あるいは,住民から,システムに対する指摘あるいは要望をいただいている.本研究では,行政からいただいたシステムに対する要望の改善と評価,ならびに,連合自主防災会長からいただいたシステムの再現性に関する疑義に対して,実火災(酒田大火,福光大火)による検証を行う.そして,システムの改善ならびに再現性について検証を行うとともに,システムの公開と更なる利活用について展望を述べる.