土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
ISSN-L : 2185-6621
特集号(和文論文)
レジリエンスの考え方に基づいた行政機関BCP策定の提案
畠山 愼二坂田 朗夫川本 篤志伊藤 則夫白木 渡
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2014 年 70 巻 2 号 p. I_81-I_86

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抄録

 これまで行政では,災害時において庁舎は使用可能で主要な施設・設備並びに行政機能は,支障なく発揮できることを前提として業務継続計画(BCP)が策定されてきた.しかし,東日本大震災のような大規模広域災害の場合,庁舎の機能不全,社会基盤施設の壊滅的被害,ライフラインの寸断,情報の途絶,物資不足,輸送ルートの途絶,避難所の不足等,想定を超える事態が発生した.このような事態に対しても,策定したBCPの実効性が担保できる対応策が求められている,本研究では,レジリエンス・エンジニアリングの考えに基づいてBCPの実効性を担保する方法を提案する.具体的には,発災時に特に重要となるリソースの確保の問題について,レジリエンス・エンジニアリングで組織が機能継続を果たすために必要とされているの4つの能力「対処能力」,「注意能力」,「予見能力」及び「学習能力」に着目し,実効性の高い行政機関BCPの策定手法を提案する.

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© 2014 公益社団法人 土木学会
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