抄録
地域防災力の向上には,自助・共助・公助を相互補完的に組み合わせた戦略が不可欠な要素である.特に自助・共助では,個人や地域コミュニティが自発的に参画しながら,地域の特性を反映した実現可能な行動計画や連携の仕組みづくりが必要である.著者らは,住民による行動計画づくりのための支援手法の一つとして,住民と防災専門家が協働するワークショップ形式の四面会議システム手法を応用してきた.この参加型手法は,「SWOT分析」,「四面会議図」,「協働ディベート」,「行動計画書」で構成されている.本稿は,韓国中山間地域コミュニティの復興計画づくりへ四面会議システムを適用した研究事例である.本システム検証として,「四面会議図」と「ディベート」のアクティビティから策定される「行動計画案の要素」にISM法を用いて行動計画案の構造化を行った結果,行動計画案項目の間では多くの順序関係を持つ中核行動計画要素が存在することを明らかにした.