抄録
本研究では,ライフライン分野におけるレジリエンスの定量評価手法をレビューし,その類型化を試みた.まず,レジリエンスの対策戦略として,回復・適応も含む対策戦略,ハザード未特定事象への対策戦略を類型の軸として,前者を外力応答評価,後者を網羅性評価と分類した.さらに,主体(供給部門側,需要部門またはコミュニティ側)の観点を補助的な類型の軸とした.以上に基づき,定量評価手法を外力に対するライフライン機能の応答評価,ライフライン機能の停止に対する耐性評価,ライフラインレジリエンスの網羅性評価,コミュニティレジリエンスの網羅性評価の4つに分類した.既報における各手法の設計,適用の事例をとりまとめ,その特徴を考察するとともに,社会実装に向けた課題を整理した.